香りのサイエンス From ニュースペーパ

アロマの効能を新聞からピックアップ温泉のにおいに森の成分 カネボウは8日、温泉のにおいに森をイメージさせる香り成分などが含まれ、人体をリラックスさせる効果があることが分かった、と発表した。これまで温泉の泉質とその効果は分析されているが、においに着目した研究は初めてという。  神奈川県・箱根の小涌谷温泉と芦之湯温泉、和歌山県・白浜温泉、群馬県・草津温泉の計4カ所で採取した温泉水を分析した。この結果、一般的な温泉のにおいの元になる硫黄化合物のほか、松や杉、ヒノキなどが発するセスキテルペン類などの香り成分が検出された。  この分析を基に、香り成分を合成し、人間の脳波や心拍数などに及ぼす影響を調べたところ、リラックス効果を示す結果が出たという。(共同通信より)昔から言い伝わっている香りの効果がこのようにしてサイエンスティックに検証されていっているのが、今の香り世界のようです。専門書を読んでいると、驚かされたり、また既に伝えられていた効能が実証されたりと、香りについての知識は日々変化しているのですねー。(かおるこ)

<カビ>におわなくても脳にストレス

梅雨時に発生しやすいカビのにおいは、それに慣れてほとんど感じなくなっても脳にストレスを与えていることが、杏林大学医学部精神神経科の古賀良彦教授らの実験でわかった。高温多湿の時期には、カーテンやソファなど布につくカビからもにおいが出やすい。研究チームは「長時間過ごす居間などで、自覚はなくても、くつろいだ気分が妨げられている可能性がある」としている。  実験は、成人男女10人に、カビのにおいをつけた水と、無臭の蒸留水の入った試験管を、くつろいだ状態で30分間かいでもらい、脳波を記録した。人間は、同じにおいをかぎ続けると数分で慣れ、カビの場合でも、ほとんど自覚しなくなるとされる。しかし、実験の結果、カビ臭をかいだ時は、脳のリラックス度を示すアルファ波の出る割合が、参加したほぼ全員で、約3分の2まで減った。蒸留水ではほとんど変化がなかった。  古賀教授は「自覚がなくても、脳はにおいに影響を受けていることが明らか。逆に良い香りなら、ほのかでも緊張をほぐすのに効果があるのではないか」と話している。 (2004年7月8日 読売新聞) 感覚では気が付いていなくとも、においの情報は無意識に受け取っていて、それが快、不快を示すという実験結果はちょっと驚きな結果になったのかもしれませんね。この季節は特に気をつけたいと思うニュースでした。ちなみに、精油ではレモンユーカリやティートリーを空気中に漂わせておくと抗菌効果が得られるとあって、この時期にはハーブ系の精油が良く売れるそうです。(かおるこ)

嗅覚のメカニズム解明・・・ノーベル賞

ノーベル賞: 米の2氏に医学生理学賞 スウェーデンのカロリンスカ研究所は4日、04年のノーベル医学生理学賞を、米コロンビア大のリチャード・アクセル教授(58)・ハワードヒューズ医学研究所のホームページから=と米フレッド・ハッチンソンがん研究センターのリンダ・バック博士(57)・ロイター=に授与すると発表した。人間がにおいをかぎ分け、記憶する仕組みを分子レベルで解明した。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、賞金計1000万クローナ(約1億5000万円)が贈られる。  授賞理由は「におい受容体と嗅覚(きゅうかく)系の機構の発見」。両氏は91年、におい物質を鼻の奥で受け止め脳に伝える受容体が約1000種類あり、個別の遺伝子からつくられていることを突き止めた。人間の全遺伝子(約3万種類)の3%もの遺伝子が、においの感知にかかわっている。においは複数のにおい物質によって生じる。ひとつひとつの受容体は特定のにおい物質にしか反応せず、においごとに反応する受容体の組み合わせが異なる。人間は違いを脳で認識、受容体を上回る種類のにおいをかぎ分けていた。  両氏は、この仕組みが味覚やフェロモンによる性行動と共通していることも解明した。(毎日新聞 2004年10月5日)