フィトンチッド

香りサイエンス

アロマの効果を新聞から学ぶ~森林浴でリラックス効果が実証

2017年5月10日

こんにちは、かおるこです。

あなたは、リラックスしたいなーと思ったとき、海に行きますか?川に行きますか?山に行きますか?

自然に触れると、どこかリフレッシュできるような気がしますが、これが単なる気のせいではなく、ちゃんとした科学的根拠があることを紹介している新聞記事がありますので、今日はこれをご紹介させていただきますね。

効率よくリフレッシュしたいときは、森林浴!

森林浴: リラックス効果が実証

森林浴には、ストレス物質の分泌を抑えたり、血圧を下げたりするなど、体全体をリラックスさせる効果があることが森林総合研究所や九州大などの研究で分かった。森林浴の効果が全身の生理機能の計測によって確かめられたのは世界で初めてだという。東京で開かれる日本生理人類学会で22日、発表する。

森林の香りや風景にリラックス効果があることは昔から知られているが、科学的なデータはほとんどなかった。

研究グループは7月、男子学生12人に千葉県内の森林とJR千葉駅前で一定時間過ごしてもらい、その前後で思考をつかさどる脳の前頭前野の活動、リラックスすると低下する血圧、ストレスを受けると増加するだ液中のホルモン「コルチゾール」の濃度などを計測した。

その結果、森林にいるときは都市部にいるときに比べ、コルチゾール濃度が低下し、脳の前頭前野の活動も沈静化した

また、興奮や緊張状態を高める交感神経の活動が弱くなり、最低血圧が下がった

毎日新聞 2004年10月20日(生理機能を初計測-- 森林総合研究所など)

意外ですが、この時まで科学的な検証をしたことがなかったんですね。

フィトンチッドといいます

アロマから得られるリラックス効果あなたの心と身体を癒してくれる森林浴効果を「フィトンチッド」と言います。

森林浴で体も心も元気にしてくれるのはこの「フィトンチッド」が効率よく働いてくれるからなのです。

この「フィトンチッド」とは正確には「全ての植物が産生する揮発性及び非揮発性物質で他の生物に影響するもの」と定義されています。

簡単に言えば「植物が出す揮発物質」すなわち「植物の香り分子」です。

 

このフィトンチッドの役割は、木々同士の会話だという説があります。

香り物質を放出しながら、木々は会話をしていると思うと、森林浴もぐっと楽しいものになりそうですね、木々はどのような会話をしているのでしょう☆彡

森の元気の正体、フィトンチッドとは?

森林内で樹木から発散される物質の主なものは

  • α-ピネン、
  • カンフェン、
  • β-ピネン、
  • サビネン、
  • ミルセン、
  • リモネン

いずれもモノテルペン化合物という炭化水素によって形成されています。

小難しい名前を書き並べましたが、これらはアロマセラピーに使用される精油の代表的な芳香成分の一部でもあり、森など自然の場所に頻繁にいけなくとも、自宅にいながら自然の香りを楽しみ、手軽に森林浴効果を得られるのも、アロマセラピーの愉しみです。

これらのモノテルペン化合物が示す治療特性は抗感染作用、鬱血・鬱滞除去作用、鎮痛作用、強壮作用、抗菌作用、ホルモン様作用などが知られています。

森林浴で空気を吸うことで、このような効果を知らず知らずに受け取っているのですね。

古くから言い伝わるものも、全てはフィトンチッドの恩恵

私たちは意外に身近に、この森林浴効果「フィトンチッド」を応用して生活をしてきました。

例えば春を代表する和菓子に桜餅がありますが、このお菓子は餅粉を練って作った皮にあんを入れて、塩漬けにした桜の葉で包まれたお菓子です。

この桜の葉はうどん粉病(植物のカビ)にかかりやすいのですが、使用するオオシマ桜は自ら「クマリン」という芳香分子を出し、ウドンコ病に耐えれる体を作るそうです。

その他私たちが身近に使用していますワサビ、山椒、ネギ、シソなど薬味として使われるものもそれぞれの芳香分子のもつ「抗菌作用」が期待され、様々な食卓に並んでいます。

これもフィトンチッドが持つ抗菌作用が活用されていると言えるでしょう。

私達の祖先は生活の知恵として、香りを様々な生活の場に活用していたのでしょうね☆

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